ブログでの面白い文章の書き方のコツを教えるライティングクリエイト講座第6回は「遠回しに言う」です。

 

第2回のライティングクリエイト講座「自己開示と本音」では
「本音を言うことが大事」という風に言いましたが、一見それと矛盾する内容のようにも思えるでしょう。

 

本音を言うことは確かに大事なのですが、テクニックとして「遠回しに言う」方が
時には面白いことがあります。

 

なにしろ世の中には「臨機応変」という便利な言葉がありますからね。

 

しかし実はこれ、結構身近なところでも使われているテクニックなんですよね。
それでは始めていきましょう。

遠回しに言う=皮肉 ではない

「遠回しに言う」と聞くとまず思い浮かぶのが皮肉嫌味です。

 

 

皮肉というのは多くの場合
「相手に直して欲しいところを直接言うと角が立つので遠回しに言う」
という目的で言われます。

 

遠回しに皮肉を言うことで有名なのは京都人ですね。

 

京都の風習として存在する「誘われても3回までは断るのが常識」というのはその最たる例ですが、その他にも

 

  • 知人を家にあげたけど早く帰ってほしい時に
    「お茶漬けでも食べはりますか?」

 

  • ピアノの音がうるさいご近所さんに対して
    「坊ちゃんピアノ上手にならはったなあ。」

 

  • 周りにお構いなしで大きな声で喋っている人に対して
    「たいそう元気でいらっしゃいますなぁ、外で走ってきはったらええんちゃいます?」

 

など、京都人の「お察しシステム」についてググると色んなエピソードが出てきますね。

 

私の周りにはあまり京都人の知り合いがいないので実際のところは定かではありませんが、このように京都人が遠回しに皮肉を言うというのは世間の共通認識になっていますね。

 

まあ特に同じ近畿地方の大阪人が京都人を目の敵にしているところがあるような気がしますけどね。

 

こういった皮肉も確かに「遠回しに言う」ではあるんだけど私が言っているのはもう少し大枠での話です。

 

要は皮肉というのは「遠回しに言うテクニック」というものの一例でしかないんですね。

 

つまり「何を言いたいか」によって「遠回しに言う」の持つ意味が変わってくるのです。思っていることとは逆のことを遠回しに言えばそれは「皮肉」や「嫌味」になるし、自分の過去の経歴・実績を誇示するようなことを遠回しに言えば「自慢」になる。

 

全然関係ないですが、男性と食事をした時に

 

「財布を出して『割り勘で良いですよ』と言ったけど本当はお金を払うつもりはない」

 

という女性がたまにいるようですね。
そしてそれを鵜呑みにして割り勘にする男性がいれば

 

「本当に割り勘にするとかありえない!」

 

と非難するんだとか。

 

これは皮肉でもなく嫌味でもなく単なる身の程知らず。もしくはバカ。

超絶余談:横文字について

コピーライターの世界だと「何を言いたいか」について「what  to  say」なんて言葉を使いますね。私はこの「what  to  say」について

 

「『何を言いたいか』って言えよ!」

 

なんて思います。

 

「what  to  say」の意味はつまり「何を言いたいか」なんです。

 

ってどうせ説明するんだから二度手間でしかない。

 

まー横文字にした方がしっくり来る言葉も確かにあるし(ポストとか)、新しい言葉を作って新たな価値観を生むのがコピーライターの仕事ではあるんだけどコンプライアンスだのアジャストだのアサインだの

「日本語で言え!」

って言葉はいっぱいありますよね。
誰が使いだしたのか知らんけどw

 

もし私が京都人だったら、こういう横文字大好きな人間に対しては

 

「外来語についてぎょうさん知ってはりますな~。東京都知事になれるんちゃいますの?」

 

と皮肉を言うのがファクトです。

日常のエピソード=遠回しに言う

思っていることと逆のことを言うのが皮肉なのですから、思っていることと実際に言うことの方向性をそろえれば問題ないわけです。

 

実は私らは、日常のエピソードを話す時などに何気なく「遠回しに言う」のテクニックを使っています。

 

例えばあなたが犬を飼っていたとして

「犬が他の家族にはなつくのに自分にだけは全然なつかないんですよ~」

と話をしたとしましょう。

 

こんな風にストレートに言っても特に面白味は生まれません。実際の会話だと愛想笑いしてくれるレベルではあるでしょうけどね。

 

ではこれを遠回しに言うとどうなるか?

家族が帰宅した時にはめちゃめちゃ尻尾を振って飛びついてるのに私の時はただチラ見するだけなんですよ~」

 

「ビーフジャーキーの袋をガサガサッとやった時だけ起き上がって飛びついてくるけど食べるもんだけ食べたらまたそっぽ向くんですよ~」

 

「自分が風呂から上がってくると毎回鬼のように吠えるんですよ~」

 

 

「何を言いたいか」は「犬が自分にだけ懐かない」ということで全ての文章に共通しています。

 

しかし具体的なエピソードを通して「遠回しに言う」方が面白味が生まれる。一度頭で考えさせて「あ~そういうことね、ふふ」と納得して笑うみたいな感じですね。

 

三番目は別の意図もあるけどw
これは三段落ちでもあります(第4回ライティングクリエイト講座「天丼と三段落ち」参照)。

 

遠回しに言うことで面白味が生まれるということが何となく理解できたでしょうか?

 

日常の具体的なエピソードはそのほとんどが「遠回しに言う」ことで面白味が生まれます。

 

逆に言うと「何を言いたいか」がハッキリしていないエピソードは意外性が弱いからあまり面白くならない。

 

女の人の話が長いだけでつまらないみたいな話はよく聞きますが、それも「何を言いたいか」がハッキリしないからなんですね。まあ女性の場合は「話すこと」自体が目的になっているのですが。

 

ただ、面白く話すとか面白く文章を書くことを考えると「何を言いたいか」はハッキリさせる必要があります。

 

「このエピソードの『何を言いたいか』って何だろう?」

 

と考えてみることでエピソードを面白く話せるスキルが上達していくでしょう。

 

エピソードにも色々ありますが、無難なのはさっきの「犬に懐かない」みたいな自分の失敗談や自虐話なら人の反感を買うことは少ないので良いでしょうね。

 

遠回しに言う自慢話は「明らかに冗談で言っている」ことが分かるのならありだけど、話す人との信頼関係ありきの冗談であることに加えて表情とかしぐさとかの非言語コミュニケーションの部分が大きく文章ではそれが出しづらいのでやめたほうが良い。

 

「つれえわー金有りすぎてつれえわー」

 

とミサワ風に自慢したとしてもミサワを知らない人からすればただの自慢にしか見えないし、予防線張って(地獄のミサワ風)なんてつけようものなら興ざめすることこのうえない。「自慢する奴」かつ「つまらない奴」の二重苦コース。

細部に注目した「遠回しに言う」の思考

エピソード披露に限らず「遠回しに言う」の思考は面白いことを言う時や面白い文章を書く時に役に立ちます。

 

コツとしては

「それが起こることで周りにどんな影響があるか?」

ということを考えるという感じ。

 

そのことが起こった結果から生じる「未来」だったり、「周りの反応の予想」だったり、「自分の気持ちの変化」だったり、細部に注目することで色々な現象を予想することが出来る。

 

第三回ライティングクリエイト講座「限定的不合理の概念」の時に私が男友達と話していた時のエピソードを話しましたね。

 

銭湯で疲れて寝ていたところ気が付くとオッサンに体中を触られていて、そのオッサンは自分が起きていることに全然気が付かずどんどん行動がエスカレートしていくので最終的に怖いので寝たふりをしてやり過ごした

 

というエピソードを話した友達に対して私が言った

 

「周りの人は驚くよな。いきなりゲイカップルがイチャついてるんだからw」

 

という発言も「遠回しに言う」から来ています。

 

この場合の「何を言いたいか」は

・友達がゲイであること(実際にはゲイではありませんが)
・友達が周りからオッサンと同類に見られること

ですね。

 

これは、その友達が寝たふりをしてやり過ごしたという状況から「周りはどんな反応をするか?」と細部に注目することで生み出された「遠回しに言う」です。

 

「このエピソードの中でなるべく変な状況を作りたい」という限定的不合理の概念もありますけどね。

 

「遠回しに言う」というのはリズムとかあまり関係なくて思いついたものを2個、3個と複数言うことも出来る。

 

例えばこのエピソードを聞いていた時の私の発言には続きがあって

「なんでそんなにオッサンとの思い出を楽しそうに語るんだよw」

とも言ったんですね。

 

この場合の「何を言いたいか」は

・実は友達もオッサンに触られることを喜んでいた(という決めつけ)

ですね。この時の思考は

 

「いくら何でも無抵抗でいるなんてことあるか?本当はコイツも喜んでいたんじゃないのか?これを『何を言いたいか』に設定しよう。うわ、めっちゃ楽しそうに話してるし!やっぱりコイツはオッサンに触られることを望んでいたことにしよう」

 

こんな感じ。ここでストレートに

「実はオッサンに触られて喜んでたんだろ?」

と言うのも有りといえば有り。実際の会話はテンポ重視なのでこんな風にストレートに放ることもありますが、遠回しに言う方が面白味は増すでしょうね。

 

あまり遠回しに言いすぎると「何を言いたいか」が伝わり切らず不完全燃焼に陥る可能性がありますが、その感覚は慣れるしかありません。

 

なにしろ世の中には「臨機応変」という便利な言葉がありますからね。

 

まあ文章ならいくらでも書き直せますので、遠回しに言うのを意識しつつ「これだと伝わらないかな?」とチェックをするバランス感覚を持って臨みましょう。

 

ブログでの面白い文章の書き方のコツを教えるライティングクリエイト講座第6回「遠回しに言う」は以上です。

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