ブログでの面白い文章の書き方を教えるライティングクリエイト講座の第1回は「フリとオチ」です。

 

他にも「緊張と緩和」「振って落とす」「意外性」「緩急をつける」など色々な表現がありますが私には「フリとオチ」という言い方が一番しっくりくるのでここでは「フリとオチ」という言葉を使って説明していきます。

 

「フリとオチ」というのは笑いにおける基本中の基本の要素でもありますので、まず一番最初にお話したいと思います。

笑いの基本・フリとオチ

「フリとオチ」は笑いにおける基本中の基本の要素です。

 

おそらくこれから話す「面白い文章の書き方」における個別のテクニックにおいてもこのフリとオチの要素に絡めたものが多くなるでしょう。「フリとオチ」という枠の中にもっと細かいテクニックがあるという感じかな。

 

「フリとオチ」で一番分かりやすい例で言えば「吉本新喜劇」。

 

吉本新喜劇の池乃めだか師匠って分かりますか?あのめちゃめちゃチビのオッサンです。

 

この人は大抵の場合「頼れる親分」的な扱いで呼ばれて出てきたもののチンピラに容赦なくボコボコにされ、その後で一言

「今日はこのくらいにしといたるわ」

そして全員がずっこける。まあ定番の流れですが典型的な「フリとオチ」です。

 

何気なく見ていたこのギャグの中には笑いの基本が詰まっています。

 

なぜこのギャグが面白いのかというと、フリとオチが綺麗に決まっているからです。

 

仮にですが、リアルにチンピラにボコボコにされた人が次に言うセリフってどんなものかな~というのを考えてみて欲しいです。

「もう勘弁してください・・・」
「警察呼ぶぞ!」
「いてえええ~~~~~」

このあたりでしょうか。でもこんなことを言っても面白くありません。意外性が無いからです。

 

もっと言えば私らの頭の中にはチンピラにボコボコにされた人は次にこんなことを言うだろうな~という「常識」が頭の中にあるわけです。しかし実際に池乃めだか師匠が言うのは

 

「今日はこのくらいにしといたるわ」

 

これを聞いた瞬間

「お前が言うんかい!」

と心の中で突っ込むわけですね。本来ボコボコにしたチンピラの方が言うはずのセリフをボコボコにされた方が言ってしまう。

 

ボコボコにされたら弱気なことを言うという「常識」をフリに使い、意外性のあるオチを演出して笑いに変えているのです。

 

ここで大事になるのは

1.外しすぎないこと
2.意外性を演出すること

です。

 

外しすぎないこと

いくら意外性を演出すると言っても、外しすぎて意味不明なことを言っても面白くなりません。

 

例えば

「今日はこのくらいにしといたるわ」

ではなくて

 

「へんじゃらもんじゃらすいっちょぺ~~ん!」

 

と意味不明な奇声を発したら面白いでしょうか?特に面白くありませんねw

 

まあお笑い芸人の世界ではこう言うことが逆に笑いになることもあります。それは「お笑い芸人だからまともなボケをするだろう」という常識の「フリ」があるからそれを逆手にとって意外性を生むのです。ネプチューンのホリケンなんかはこのタイプのお笑い芸人ですね。

 

あとこれを発する場面がどんなものか、というのも「フリ」になります。仮に

「世界に一人しかいない『ゴキブリ語』を使える人が言う『こんにちは』は?」

という大喜利が出されたとすれば上の奇声は少しは面白くなるでしょう。
大喜利という「フリ」があってそこまで外しすぎているわけではないからです。

 

 

しかしこれを一般人が、ましてや日常会話でしてもただ寒いだけです。
飲み会みたいな雰囲気を楽しむ場ならこういう意味不明なことでも笑いになることはあるでしょうが、その中でも「こいつ全然面白くねえな」と冷めた目で見ている人はいます(私ですw)。
まあ奇声を発して面白いと思われるのは小学生まででしょうw

 

笑いの天才であるダウンダウンの松本人志さんは

「お笑い芸人は常識があるからこそ非常識なことが出来る」

という風に言っています。

 

これは私なりの解釈で意訳するなら
「常識という『フリ』のストックが多いほど笑いの引き出しが増える」ということだと思います。

 

常識があるから、どこまでがフリに使えてどこまでがギリギリ笑いに変わる意外性にできるかというバランス感覚が養われます。

 

突然意味不明なことを言い出すのをライティングクリエイト用語では「バカ」と言います。

 

「常識」「フリとオチ」「バカ」については電車をイメージしてもらうと分かりやすいです。

 

電車はレールの上を走りますよね。レールの上をそのまままっすぐ走るのが「常識」です。フリとオチをうまく使った笑いというのは「レールから片輪だけ脱線して走る」という状態。

バカは電車を転倒させる。
もっとバカは電車を爆破させる。
超絶バカは「飛行機の方が早くね?」とか言い出す。

 

あくまでも「電車が走る」という前提は崩さないんですね。これが外しすぎないということ。

意外性を演出すること

当たり前ですが意外性が無いと笑いにはなりません。

 

池乃めだか師匠のギャグは確かに面白いですが、使い古されてきて意外性がなくなってきていますよねw
まあ吉本新喜劇の場合は「お約束」が逆に面白いというのもあるんですが。

 

定番なのは「逆にする」というので簡単な意外性を作れます。

「言うと見せかけて言わない」
「やると見せかけてやらない」
「言わないと見せかけて言う」
「やらないと見せかけてやる」

 

池乃めだか師匠のセリフも「ボコられた方が強気な態度に出る」と逆にすることで意外性を生んでいますね。

 

これを日常会話に使うなら、例えば友達の家にあがる時に友達に向かって「まあゆっくりしていけよ」と言うとか。「逆にする」んですね。

 

あとは明石家さんまさんの

「俺の歯が出とるわけ・・・ホンマや」もそうでしょう。

「ホンマや」はさんまさんが良く使ってるギャグですよね。

 

私なんかはリアルでたまに見た目が褒められることがあるんで「イケメンですね~」とか言われたら「いやいやそんなこと・・・よく言われるんですよ」と言っています。これも典型的なフリとオチ。

 

イメージとしては180度くるっと方向転換する感じ。これが中途半端だと意外性が生まれない。例えば「イケメンですね~」と言われて

「いや~まあ・・・・よく言われるんですよ」

だと全然ダメ。

 

「いや~まあ・・・」というセリフがすでに「自分がイケメンであること」を肯定しそうなことを匂わせているので意外性が無くて笑いにならないだけでなく鼻持ちならない奴になる。

 

あくまでも「謙遜しそうな勢いでいたのに180度クルっと方向転換する」というのが大事。

 

あとフリが丁寧すぎてもダメ。

 

「何、私がイケメンですって!?いやいや恐れ多くもそんなこと・・・よく言われるんですよ」

 

わざとらしくて「何か面白いこと言ってやろう」的な雰囲気が出て意外性がなくなる。まあここまでやったらそのわざとらしさが逆に面白いかもしれないけど、実際にやったらたぶん鬱陶しいw

 

この例では関係ないけど、例えばオチが「意外な言葉」だったりする時にフリが丁寧過ぎるとオチに関わるワードを言ってしまって意外性が弱まることもあります。

 

あくまでも自然な流れの会話や文章で意外性を生むことを心がけましょう。

 

「逆にする」というのはレールを外しすぎない上に簡単に作れる意外性なので是非使ってみましょう。

 

文章でも簡単に使えます。まあ考える順番としてはまず言いたいことを考えて、その言いたいこととは「逆のことを言いそうな匂い」をフリとして考えるという感じかな。

 

フリとオチは文章でも日常会話でも使えるテクニックなので是非覚えておいてください。

 

別に上の文章みたいに変なギャグを言うときだけじゃなく、「こんなことがありました!」というエピソードを書くにあたってもこの「フリとオチ」は重要になってきますので。

 

面白い文章の書き方・ライティングクリエイト講座第1回「フリとオチ」は以上です。

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