ライティングクリエイターの菊地です。

 

今回はピグマリオン効果についてのお話です。

 

・ピグマリオン効果とはどういうものなのか?
・ピグマリオン効果とゴーレム効果の違いは?
・ピグマリオン効果とハロー効果との違いは?
・ピグマリオン効果を具体的に活用する例(人間関係、モチベーション向上、ビジネス)

 

などをお話していくので最後までご覧いただければと思います。

ピグマリオン効果とは

ピグマリオン効果とは

「他人から期待されることで学業・スポーツ・作業効率などが上昇する」

という教育心理学に分類される心理効果のことで、
心理効果教育期待効果とかローゼンタール効果とも呼ばれます。

 

「ピグマリオン」という不思議な響きの音は
ギリシャ神話の登場人物であるピグマリオン王から来ており、神話では

「ピグマリオン王が恋した女性の彫像を女神が人間に変える」

というエピソードがあります。期待した通りになるという意味では同じと言えますね。

 

ローゼンタールというのはピグマリオン効果を提唱した
ロバート・ローゼンタールという人物が由来になっております。

 

「優秀な生徒」と教師に伝えると生徒が本当に優秀になった実験

ロバートローゼンタールは1964年にサンフランシスコの小学校で
以下のような実験を行いました。

①クラスの生徒の中から無作為に一定人数を選ぶ
②教師に「子供の知能が上がるテストがあります」と嘯いて実施させる(実際にはそのような効果は無し)

③テスト結果とは関係なく無作為に選んだ生徒を「今後成績が伸びる可能性が高い生徒」として担任の教師に教える
④8か月後に全く同じテストを実施させる

すると

無作為に選ばれただけの生徒の成績が本当に上昇していた

という実験結果が得られたのです。

 

つまり、教師の生徒に対しての接し方の違いを生徒自身が敏感に感じ取り
それがパフォーマンスの変化を生じさせたということなのです。

 

先入観で接し方が変わってしまう

このピグマリオン効果は「期待する側・期待される側」の
双方向によって成り立っている心理効果と言えます。

「期待されるとその通りになろうという意欲が湧く」

というのが冒頭で説明したピグマリオン効果になりますが、それと同時に

 

「先入観を持っていると接し方が変わってきてしまう」

 

という、人間の認知の歪みをも表していますね。

このことを良く表す話としてこの小学校での実験を行う前に行われた
マウスを使った迷路実験があります。その実験とは

 

①教師が生徒に対して「利口なマウス」「のろまなマウス」と分けて渡す(実際には個体差無し)
②迷路実験による結果の差を調べる

というもので、最終的には

「利口なマウス」と伝えて渡された方が迷路実験の結果が良かった

という結果が得られました。

 

この実験は小学校の実験のように教師と生徒の二者の関係ではなく

教師 ⇔ 生徒 ⇔ マウス

という、三者の関係で成り立っています。

 

つまり

1.教師が期待するであろう実験結果に生徒が応えようとした (教師 ⇔ 生徒)

2.生徒がマウスの接し方に差をつけた (生徒 ⇔ マウス)

 

という二つの要因が最終的な実験結果に表れていると思うんですね。

 

1.から言えるのは

「期待されるとそれに応えようとする」

という本来のピグマリオン効果についてのことですが、

2.から言えるのは

「先入観により接し方を変えてしまう」

という認知の歪みですね。

 

これは本来のピグマリオン効果の話からは少しずれるので
そこまで詳しくはお話しませんが、

「先入観で接し方を変えないように気を付ける」

というのも重要な話だと思います。

ゴーレム効果とは?ピグマリオン効果との違いは?

ピグマリオン効果は

「期待されることでパフォーマンスが向上する」

という良い効果をもたらすものですが、ゴーレム効果というのは

「相手から無関心・悪い印象を持たれることでパフォーマンスが低下する」

という悪い効果をもたらすものです。

 

ゴーレム効果は

「周囲の期待が良い効果をもたらすのなら、その反対の悪い効果をもたらすものもあるはず」

と逆説的に導き出されたもので
ゴーレム効果について単体で実験や検証が行われたわけではないのですが、
ゴーレム効果という言葉は教育現場では普通に使われております。

 

例えば授業中に素行が悪かったり学業成績が悪い子供がいるとします。
教師はそのような子供に対して

「落ち着きがない子」
「勉強ができない子」

というレッテルを貼り、ぞんざいに扱ったり無関心に振る舞ったりします。

 

するとその教師のふるまいを子供も感じ取り

「どうせ自分なんか期待されていないからどうでも良いんだ」

とやる気をなくして、ますます素行が悪くなったり
勉強もやらなくなるという悪循環に陥る・・・

 

こういうことは容易に想像が出来ますね。

 

特に教育というのは数十人の子供を一人の教師が相手にする以上

「自分に対する態度が他の子とは明らかに違う」

と比較して感じ取ることが容易ですね。

 

そして、ピグマリオン効果とゴーレム効果は一見、正反対のようにも思えますが

「周囲からの印象によって行動が変化する」

という本質は全く同じと言えます。

ピグマリオン効果とハロー効果の違い

ハロー効果というのは別記事でも紹介したところですが

 

人や物事を評価する際に「ある特徴的な一面」に引っ張られてしまう

 

という認知の歪みです。例としては

・東大卒と聞いただけで頭が良さそうに思えてしまう
・中卒と聞いただけで頭が悪そうに思えてしまう

といった具合に

①良い印象を与えるポジティブハロー効果
②悪い印象を与えるネガティブハロー効果

がありますね。

 

好感度の高い芸能人をCMに起用するのはポジティブハロー効果を狙ったものです。

その商品の良し悪しとは本来無関係なはずなのに
芸能人の好感度に引っ張られて商品の好感度も上がるというものです。

 

「先入観で物事や人を判断してしまう」

 

という面では似ていますが、これは本来のピグマリオン効果とは
少し違う話です。

 

ハロー効果の詳細は別記事で書いているのでそちらも参考にしていただければと思います。

 

>>ハロー効果とは?

ルシファー効果とスタンフォード監獄実験

ピグマリオン効果やゴーレム効果とよく似たものに
ルシファー効果というものがあります。

 

ルシファー効果は1971年にスタンフォード大学心理学部が行った
スタンフォード監獄実験という実験が有名です。
スタンフォード監獄実験は映画「es」でも題材にされたことがありますね。

 

スタンフォード監獄実験は、新聞広告などで集めた一般人の被験者に対して

①看守役
②囚人役

という”仮の役割”を与えて、実際の刑務所に近い設備で模型の刑務所の中で
それぞれの役割を演じさせるという実験です。その中で

「人が特殊な役割や肩書きを与えられるとその役割に合わせて行動してしまう」

ということを証明しようとしたのです。

 

実験の思惑通り、看守役を与えられた被験者は乱暴になって囚人役の被験者を虐待し
囚人役の被験者はどんどん罪人らしく振る舞うようになっていきました。

 

スタンフォード監獄実験が進むに連れて
看守役は禁止されていた暴力行為すら行うようになったため
当初2週間行われる予定だった実験は6日間で中止になりました。

 

スタンフォード監獄実験のルシファー効果も、もう少し本質的なことを考えると

「与えられた役割を全うしてほしいという周囲からの期待に応えようとする」

という風に考えることが出来るので、
そうなるとピグマリオン効果やゴーレム効果と同じですよね。

 

私は、こういった「〇〇効果」という名前は
提唱者や実験によって異なるだけで本質的には同じものも多いと考えています。

ピグマリオン効果の具体例

次に、ピグマリオン効果の具体例についてお話したいと思います。

 

ピグマリオン効果の具体例①相手にして欲しいことを言う

恋人、親子、友達、会社の部下など、
すべての人間関係において使えるピグマリオン効果が

「相手にして欲しいことを言う」

ではないかと思います。

 

もちろん、相手に優しくして欲しいからといって

「もっと優しくしてよ!」

と言うのでは芸がありませんし、これを言っても相手の態度はますますこわばるだけです。

 

もし相手に優しくして欲しいのなら、何気ない行動に対して

「〇〇してくれるなんて優しいね」

と言うのが効果的でしょう。

 

ポイントとしては相手が何かした時に褒めることで、
何のきっかけもなく褒めていても単なるおべんちゃらにしか聞こえません。

 

あるいは、直して欲しい行動やして欲しくない行動を目の当りにした時に
ただ頭ごなしに「やめて」と言うよりも

「本当は優しいの知ってるし、次からはやめてね」

と、さりげなく期待を込めることで言葉に棘も少なくなる上に
ピグマリオン効果も期待できます。

 

どちらにしても

「自分のことを優しい人間と思ってくれてる!期待に応えなくちゃ」

というピグマリオン効果を発揮するはずです。

 

会社の上司と部下という関係であれば

「君は元々はもっと仕事の出来る人間だと思っている」

という部下を励ますような言葉も効果的でしょう。

 

私自身の例で言えば、感情的になって理屈が通じない人があまり得意ではないので
そうならないような期待も込めて

「理屈で言えばちゃんとわかってくれるし物分かり良いよね」

と、相手に対してよく言います。

こう考えると「北風と太陽」というのは本当によくできた話ですね。

ピグマリオン効果の具体例②目標を周りに公言する

ピグマリオン効果は「自分を追い込む」という方法でも使えることが出来ます。

「3ヶ月で10キロ痩せる!」
「1年以内に月収100万円稼ぐ!」

など、何でも良いですが何か目標を立ててそれを周りに公言するのです。

 

周りに言うことで

「言ってしまったからにはもう後には引けない」

と自らを追い込み、その目標を達成しようとするのです。

 

私のようにネットビジネスやアフィリエイトをやりたいとか、
生計を立てるくらいまで稼ぎたいという人はこの方法はオススメです。

まだまだネットビジネスやアフィリエイトに対するイメージは悪く
世間の風当たりも強いので

「絶対出来るわけない」
「やめた方が良い」

とほぼ必ず言われると思いますが、それに対する反骨心もまた
動機になると思います。

 

ちなみに、

「自分の部屋に目標を書いた紙を貼って毎日見る」
「鏡に向かって『お前は○○出来る!』と言う」

というものをピグマリオン効果の例として挙げているところも
いくつかありましたが、ピグマリオン効果というのは
「周囲の期待」があって初めて発揮されるものです。

 

これらは周囲の期待とは関係ない単なる「自己暗示」になるので
ピグマリオン効果の例としては違います。

ピグマリオン効果の具体例③ビジネスへの活用

ピグマリオン効果の肝は

「期待をしているということを相手に察知させること」

にあると私は考えております。

 

つまり、基本的にはお互いがお互いの存在を認識している
双方向のコミュニケーションにおいて発揮される心理効果ということです。

 

となると、不特定多数の人のアクセスを集めるブログなどの
一方向のコミュニケーションにおいては効果を発揮しづらいようにも思えます。

 

ただこれもやり方次第なところはあります。

 

例えば、ブログにアクセスを集めたなら

 

「このブログをご覧になっているということは、
あなたはそれだけビジネスを真剣にやる意欲が高い方のはずです」

「この記事を最後まで読んでいただいているということは
すでにあなたは高いビジネスセンスを持ち合わせているということです」

 

といった具合に、ある種の選民思想のようなものをくすぐる言い方をすると
ブログ記事でもうまい具合にピグマリオン効果を発揮できるのではないかと思います。

これがブログでなくメールマガジンであれば
「メルマガ登録」というアクションを挟んでいるので
ブログよりもピグマリオン効果は高まるのではないでしょうか。

 

「このメルマガに登録した時点であなたはビジネスのセンスがあるということです」

のような文面のメルマガも実際にありますね。

 

ここからさらに

「何か質問をしてその回答を返信させる」

という風に、何か行動をさせることで
行動することへの障壁を取り除く、というテクニックもありますね。

 

これはピグマリオン効果というよりは
一貫性を保つ「一貫性の原理」になりますが。

ピグマリオン効果について否定的な意見もあるが・・・

先ほどお話した、ロバート・ローゼンタールによるカリフォルニアの小学校の実験は

「そもそも教師が名簿の生徒の名前を憶えていなかった」

という衝撃の事実が発覚し、
ピグマリオン効果そのものの信憑性も疑われています。

 

そもそも生徒が勉強が出来るようになったのは
家庭環境、経済状況、個々の性格など様々な要因が考えられますし

「優秀な生徒であると教師が思ったこと」

だけが理由というのは少し無理がある話ですよね。

 

さらに、スピッツという人物が同じ条件での実験を行っても
同じ結果は得られなかったりしています。

 

ただそれでも、お前はダメな奴と言われたり無関心に振る舞われるよりも
期待される方がモチベーションは上がるというのは事実でしょう。

 

例え自分と相性が悪かったり嫌いな人物であっても、その人物が

「自分に期待を寄せている」

ということが分かると悪い気はしないですよね。

 

科学的に実証出来る証拠がまだないというだけで
少なからずピグマリオン効果は存在していると私は考えます。

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